俺様彼氏はShy Boy?


その瞳に我慢していた涙が流れてしまいそうになって、先生から視線を逸らしたときに気がついた。

先生の右手には、あたしの鞄があったこと。


放課後、委員会から戻ったあたしの鞄は、教室から消えていた。

どこかに置き忘れたとか、そんなんじゃなくて。

誰かにどこかへ持っていかれたってことはすぐに気づいた。

その日は海斗は先に帰ってしまったし。

未来もバイトだからと先に帰ってしまって。


お財布もケータイも。

そんな日に限って全部鞄の中で。

そのまま帰るわけにもいかなかったんだ。


しばらく教室で放心状態で、こうしている間に校内には人がどんどんいなくなっていった。

校庭で聞こえたサッカー部や野球部の声も。

校内から聞こえてきた吹奏楽部の楽器の音も。

いつの間にか、静かになってた。


薄暗い教室の中で心細くて泣きそうだったけれど。

こうしていても仕方ないと、やっとの思いで動き出して。

教室の中を探し回った。


更衣室、特別教室、音楽室、化学室、そして…保健室。


順番に回ってきて、ここにたどり着いて。

でも、保健室の鍵はかかったままだったため、諦めて少し引き返したところで。

廊下に置きっぱなしだった清掃用のバケツにつまずいて、派手に転んでしまった。

擦りむいた膝が、痛い。

ペタリ、放心状態で座り込んで。

呆然としてるだけで、立ち上がる元気なんてなかった。


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