俺様彼氏はShy Boy?


「わざわざ買って来てくれたの?」

「んなわけないだろ」

「…そうなんだ」

「たまたま、生徒に貰ったんだよ」


たまたま…ね。

先生のぶっきらぼうな言い方に、なぜは心が温かくなる。


だって。

先生のことが好きな生徒が、先生にわざわざ飲み物を差し入れするとしたら。

やっぱり、先生の好きなコーヒーをあげると思うから。

先生にオレンジジュースを差し入れする生徒なんて、いないでしょ?


ストローをさして、一口口に含むと。

オレンジの甘酸っぱさが口の中に広がった。


「おいし…」

「それは良かった」


あたしの笑顔を見て、先生も少しだけ瞳を細めて優しい顔をする。

だけどすぐにあたしに背を向けて、さっきまでしていた書類の整理を始めた。


あたしは近くにあったソファーにちょこんと座って、先生の背中を眺めながらジュースを飲んだ。


先生は、あたしに必要以上何も聞いてこなかった。

ここにくる理由を、先生は何も聞かない。

だけど、あたしを受け入れてくれる。


それが、ここが居心地がいい理由なのかもしれない。


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