俺様彼氏はShy Boy?


「あ、やっぱりここにいた!!」


ガラガラッとドアが開いた音がして。

それに反応して視線を向けると、ニコリと笑う未来の姿が見えた。


「教室に行ったらいなかったから」


そう言って、中に入ってくる未来に。

先生は振り返ることもなく仕事を続けていた。


相変わらず、無愛想だ。

これでよく保健の先生なんてやってられるな…と思うのはあたしだけじゃないはず。


「次、移動でしょ!? 早く行かないと間に合わないよ」


チラリと先生に視線を送って『お邪魔しました~』と明るい声を出す未来に、あたしも同じように明るめの声を出してその場に立ち上がると。

ゆっくりと振り返った先生が、ほんの少しだけ優しい瞳をしてくれた。

そんな瞳に、ちょっとだけドキッとしてしまう自分に苦笑して。


「先生、また来週来ていい?」

「仕事の邪魔しないんだったらな」


先生の視線はまた机に戻ってしまって、それ以上は何も言わなかったけれど。

その声は、やっぱり優しい。


保健室を出て、教室に向かって歩き出すあたしの横で。

未来は『ふーん…』っと何かを思って小さく頷いて。


「あんな先生初めて見たかも」


あたしを見る未来の視線が、ニヤリと意味深な笑みに見えた。


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