俺様彼氏はShy Boy?


「イヤだって言うなら、それ外したら?」


そう言って、あたしの耳に手を伸ばす美佳は。

あたしの右耳で光る真っ黒なピアスを無理やり引っ張った。


「そんなのいつまでも着けてて、何が嫌だよ。未練がましくそんなもん着けてんなよ!!」

「いたっ…」


引っかかれた耳にビリッと痛みが走った。

その痛みと美佳の手から逃れるために、体をよじって耳を隠そうとした瞬間だった。

よろけて倒れそうになるあたしを、美佳が追い討ちをかけるように突き飛ばして。

そのまま倒れてしりもちをつくあたしを、美佳が見下したように視線を向けた。


あたしも反動で、美佳を睨みつけると。


「何だよ、その顔」


美佳の頬が引きつり、ピクピクと痙攣しているのがわかった。

歪んだ怒りに飲み込まれた醜い顔。


美佳のこと、なんとなくは聞いてたし、見てて違和感を感じることもあった。

男と女の前で性格が変わるって聞いたこともあった。


今の美佳は海斗の前とはまるで別人。

声を態度も、その表情も、すべてが思っていた以上だった。

プライドが高くて、性格も悪くて、猫被りで。

これが、本当の美佳なんだ…


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