俺様彼氏はShy Boy?
なぜか冷静にそんなことを考えている自分がいた。
美佳に何か言われたけど。
本当のところほとんど覚えていない。
バランスを崩して、しりもちをついて。
美佳に睨まれて、罵られて。
ズキズキと痛む耳たぶにそっと触れて。
「……えっ」
その瞬間、頭の中が真っ白になった。
耳たぶの痛みなんて、一瞬で吹き飛んでしまうほど。
ここにあるはずのピアスが、何度触っても触れることが出来ない。
嘘……
海斗のピアスが、ない?
目の前の美佳は、放心状態のあたしにイラつきながら。
ヒステリックな叫びを上げる。
でも、何も聞こえない。
それどころではない。
何を言っても反応しないあたしに舌打ちをして。
すぐそばに落ちてたあたしの鞄をあたしに向かって投げつけた。
それでも、ビクともしないあたしに嫌気が差したのか。
これ以上、何を言っても仕方ないと思ったのか。
何か捨て台詞を叫んでから、そのままの勢いで帰っていった。