俺様彼氏はShy Boy?


「…ピアス、なくしたの」


美佳との会話や、美佳に突き飛ばされたことは隠して。

中庭でピアスを落としたこと。

それを探すために、這いつくばっていたこと。

どうしても見つからなくて、膝に顔を埋めてたこと。


「…大切な、モノなの」


ゆっくりと視線を上げた。

その先にいる先生の瞳と重なると。

先生は、フッと鼻で笑ってポンポンと頭を撫でた。


「無駄だろ? 外はもう暗いし、この雨だ。今探したって見つからない。
諦めて、明日にするんだな」


優しい瞳とは裏腹に、その言葉はあたしの胸に突き刺さる。

でも、そのとおりなんだ。

わかってるんだ、そんなこと言われなくたって。

それでも、今日探さなきゃいけないんだ。


先生の言葉に首を振る。


「諦めろ」

「いや」

「この雨じゃ無理だろ」

「いや!!」


ブンブンと激しく首を振り。

そのたびに、涙が滲んでいった。


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