俺様彼氏はShy Boy?


「先生、濡れちゃう」


あたしが受け取った傘を先生に返そうとしても。

先生は完全にあたしを無視してて、返事することも振り返ることもなかった。


「先生!?」


薄暗い中、あたしの目の前にある先生の背中がどんどん濡れていくのを見て。

あたしの目頭が熱くなる。


「先生!!」


何度呼んでも振り返らない。

傘を差し出して、先生を雨から守ろうとすれば。


「邪魔」


そう言って手を振り払う。


「もういいよ…」


こんな中で、見つからないっていたのは先生じゃん。

無駄だって言ったのは、先生じゃない…


「もういいってば!!」


ポロポロ零れだす涙を拭って、先生のスーツを引っ張った。


「もういいよ、先生が風邪引いちゃう…」


その言葉もやっぱり無視で。

何度呼んでも、何度引っ張っても。

先生は、あたしたちがいた場所を探し続けた。

そのたびに、アクアマリンの香りがした。


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