俺様彼氏はShy Boy?
あたしは、何がしたいのだろう。
ピアスを見つけてどうする?
いつまでも、海斗に未練たらたらでいいの?
いつまでも、誰かのせいにして悲劇のヒロインになってればいいの?
いつまでも、未来たちに心配かけてればいいの?
「だから、無駄だって」
その言葉と共に、あたしにフワリとかかるタオルは。
ふんわり柔らかくて肌触りのいいものだった。
アクアマリンの香水の匂いが微かにする。
海斗と同じ香水の香り。
まさか…と勢いよく振り返れば。
そのまま瞳を大きく見開いた。
「どこらへん?」
「えっ…」
「この辺で、落としたのか?」
そう言って、あたしに傘を渡して座り込むのは高藤先生だった。
一瞬でも、海斗かもしれないなんて思ってしまった自分が馬鹿みたいだった。
傘を受け取ったまま呆然とするあたしの目の前で。
あっという間に雨に濡れ、白衣を脱いだ先生のダークグレーのスーツが真っ黒に染まっていく。