俺様彼氏はShy Boy?


ぐいっ。

ミッチャンの言葉を遮るかのように、あたしの身体が後方に引っ張られる。

突然のことで驚きすぎて、身体は硬直したまま倒れていく。


その先に。


痛みはない。


あるのは、落ち着くような優しい温もりと。

爽やかな、アクアマリンの匂い。


あったかい、大きな手。


「何、人の女口説こうとしてんの?」


いつもよりずっと低くて冷たい声。


振り返りたくても後ろから拘束されるかのようにギュッと抱きしめらていて確認できないけれど。

あたしを抱きしめているのは、まさしく海斗で。

さっきまで他の子といたじゃん。

あたしの存在になんて、全然気づいてなかったのに……


どうして、ここにいるの?


どうしても顔が見たくて。

身体を揺すったり手を叩いたり、暴れていると。


緩んだ腕によって身体は半回転させられ、今度は海斗の胸の中に閉じ込められる。

まるで、俺の顔を見るなとでも言っているかのようで。

海斗の温かい胸元に押し付けられる。


海斗は今、いったいどんな顔をしているの?


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