俺様彼氏はShy Boy?


教室には戻る気にはなれなくて。

そのまま廊下を彷徨う。

今、教室に戻ったって。

みんなに好奇の目でジロジロ見られるだけだもん。


制服のポケットの中に入っていたケータイがブルブルと震えて、受信を知らせていることに気がつき取り出すと。

未来からの心配メールだった。


ちょっとでも海斗からだと思った自分に苦笑いして。


『次、サボるね』


それだけ打って、ポケットの中にケータイをしまいこんだ。

そんなにいつもサボってるわけではないけれど、サボるときは決まって図書室だった。

今日も無意識に図書室を目指している。

誰もいない図書室のシーンと静まり返った感じと、古い本の匂いがなんとなく落ち着くんだ。


図書室の一番奥の窓際の席。

本棚の死角になって、意外と見つかりにくい上に。

日向ぼっこをするのに最適な場所。

いつものその特等席に座り、そこから見える校庭をボーっと眺めていた。


体育の授業のために集まりだした生徒たち。

なんだか楽しそうな話し声に、内容はわからなくてもクスリと笑みが零れてしまう。

授業が始まるチャイムが鳴ると、体育教諭の「はい、整列」の声が聞こえてきて。

あたしは外から見つからないように机に伏せてから、ゆっくりと瞳を閉じた。


……海斗、ちゃんと教室に戻ったかな。


こんなときでも、考えるのは海斗のこと。


なんで、こんなに好きなんだろう。

どうして、海斗なんだろう。


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