俺様彼氏はShy Boy?
「意味、わかんない……」
さっきの子は?
どうして海斗はここにいるの?
ねぇ、どうして怒ってるの?
海斗がここにいて嬉しい自分と戸惑ってる自分がいる。
「……離して」
「は?」
「だから、離してってば!」
強引過ぎる海斗から逃れるように暴れて振り上げた手が、海斗の頬に赤い線を残す。
「あっ…」
微かに頬が傷つき血が滲む。
「ごめっ……」
そんなつもりじゃなかったのに。
だた、ちゃんと面と向って話したかっただけなのに。
「ゴメン、ね」
痛いよね。と頬に手を伸ばすと。
その手を海斗が握りしめた。
「痛い、よね?」
手を掴まれたまま見つめると、自然と上目遣いになってしまう。
「はぁぁ……」
そんなあたしに、盛大な溜息を落とした。
「何、その顔」
えっ…?
「何、その格好」
掴まれたままの手をクイッと引き寄せられると、海斗との距離がいっきに近づく。
鼻先が触れそうな距離。
海斗が少しかがんであたしの顔を覗き込んできた。