RE. sEcrEt lovEr
「貴基準で説明しないでよっ!全っ然分からない!」

「お前アホなの?鋼のハートはどうした?」

入院して以来すっかり忘れていた手付かずの夏休みの課題…

入院していようが、そうじゃなかろうが与えられた夏休みの期間は同じなわけで つまり年貢の納時ってヤツだ。

健康体の皆と変わらない課題に執行猶予やハンディをつけてくれればまだいいのだが、

あたしの場合 単位取得がかかっているため、校内トップの同居人にしごかれているというわけで。

もっとも手術を受けたからと言って、ハートが打たれ強くなったわけではない…

「俺が直々にみてやれるのも今年だけなんだから、有り難く思えよ」

そういえば、留学するってあの日言ってたよね…

甲ちゃんだけじゃない、貴もあたしという呪縛から解放してあげなくちゃ。

“寂しい”という気持ちを押し殺して、精一杯強がってみせる。

「来年は甲ちゃんに教えてもらうからいい」

…決断した傍からの甲ちゃん頼み。
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