運命の人はいない
出逢い~一目惚れ
(私、この人と結婚する)

学校から駅まで歩くと25分ほどかかる道。
約束の時間まであと、15分。

私立高校に通う彼の方が掃除の時間が無いため
下校時間が早い。公立の高校に通い出した私は
まだ入学して1か月も経っていないのに
初めての早退を試みた。

小学校、中学校と皆勤賞だった私は
早退の手続きなどをこのとき
初めて知り、予想してたより てこずってしまい
ギリギリになってしまった

本当は、ファンデも塗り直したいし
アイプチもやり直したい!
けど、約束に遅れるわけにはいかない。。


中学時代は陸上部だった為、走るのには
自信があった。職員室を出て、まだ真新しい
ブレザーの制服のスカートを2段折って膝が
しっかり出る丈に戻して、待ち合わせの駅へと
急いだ。

まだ、みんなは掃除をしてる時間に
私は "よしきに逢うために早退"
 
今日は、メールを始めて5日目!
とうとう初めて学校帰りに会うことになった。
まだ会ったこともないのに、♡つきのメールを
送ってくるよしき。

よしきは、メル友だった原田くんが紹介してくれた。原田くんは、私の幼馴染みの唯が中学三年生の時に引っ越した学校のクラスメイト。
私は、唯の筆箱に自分と周りの女子のプリクラを沢山貼り付けて、こう言った。
『女友達が沢山いるっていえば絶対いじめられないから‼』

転校した唯からすぐに連絡があった。
『筆箱のまこのプリクラ見て、可愛いから紹介してってやつがいるんだけど、紹介していい?』

その中の一人が原田くんだった。
原田くんともメールのやりとりをして1度だけ
高校に入学してすぐに、太田川の駅で会った。
とゆうより、見てしまった。
全く、タイプじゃなかったので その日から
メールの返信をやめた。

彼からは、頻繁にメールがきてた。
けど、顔がタイプじゃないから無視してた。
そして、彼がキューピットになった♡
「俺の友達のよしきってイケメンのやつ紹介するからメール返してー!」

私は、すぐに返信した。
『ほんとにイケメンなの?』



何とかギリギリ駅についた。
待ち合わせは、この駅だけど、よしきはホームにいるのかな?
特急も停まるけっこう大きな駅
階段を登って、ホームを見下ろすように窓から
よしきの姿を探した。

その瞬間、背後に人の気配を感じた。
振り向くとそこに、よしきであろう人が立っていた。
『まこ?おれ、よしきよろしくね』

(…あっ。)
驚きすぎて、声がでない。

(私、この人と結婚するんだ。)
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