彼の優しさ 番外編

「……そっか。ペット業界の闇、とか言うけど実際見ると辛いね。」

仔猫を用意した部屋にキャリーごと揺らさない様に祐がそっと置くと、扉の外でアズサがジーっとこっちを見ている。

「まだ、ダメだよ?」と言うと扉の外側に座った。

居座るのね。

「祐、この子の名前はどうするの?」

「…カイト。目の色がマラカイトに似ているから。」

「カイトってことは男の子?」

「あぁ。」

「祐、カイトは今はそっとしておいて晩ごはん、食べよ?…今日は鶏肉の麹漬けだよ?」

「食う。」

「じゃあ準備するね?」立つと、アズサもリビングの方に歩いて行った。

その数日後、アズサとカイトが遊んだり一緒にお昼寝したり仲良くしていて安心した。
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