彼の優しさ 番外編

ー土曜日ー

藍のマンションまで藍を迎えに行ってから和菓子屋さんに寄って羊羮(普段、甘いものを食べない父さんもこれなら食べるから。)を買い、俺の実家に行くと、門の外で麻美が待っていた。

「麻美…………何しているんだ?あいつ。」ついポツリと呟くと

『ら~~んちゃ~~~ん』はぁ、あんなに手ぇ振って何してるんだ?

駐車スペースに車を停めると藍を見てみると藍が硬直していた。

「………大丈夫か?」

「あーお姉ちゃん、なんであんなに熱烈歓迎なの?」鈍いな…。

「麻美だって藍に会いたかったんだよ。……まぁ、父さんと母さんもだけど。」十年以上会ってないしな。

……家に連れてきた初めての彼女だと言う事は黙っておく。

俺たちが車から降りると麻美は急に藍に抱き付いた。

「ほぇ⁉」

「藍ちゃ~ん、久しぶりぃ~会いたかったよ~」藍から麻美を引き剥がすと

「何やってるんだ、藍が驚いてるだろ。」

「それに、道端で何しているんだ。ちゃんと考えろ。」

「はーい」ぷぅ~っと麻美は顔を膨らませているがあいつは無視。

「じゃあ、家に入るぞ。」そう言ってぎゃいぎゃいうるさい妹を無理やりに家に入れてから藍の手を繋いでから家の中に入った。





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