誠の誓い
運ばれた団子を食べる間もずっと

鶴里の前では、土方と永倉とは

話をしなかった


「千代ちゃん?
久しぶりやし、お2人と話せんでええの?
少しくらいええと思うけど」


「鶴ちゃん
新選組と御陵衛士は、交わりを禁止してる
そもそも、それを言い出したのは
うちの目の前にいる、副長はんやで!?
話し掛けたら、申し訳ないわな」


「へぇ そうどすか
せやね、御陵衛士になるって決める前
平助はんとも話されへんて
言うてましたもんな」


「厳しいもんなんやで」


「厳しいどすなぁ」




チラリと土方を見ると

呆れ顔なうえ、引き攣っていた



その顔を見て、満足そうに


にっこり笑ってみせた


勘の良い永倉は、縁の考えを察して

話始めた



「土方さん 縁って
こんな意地悪だったか?」


「ああ お前には、良い子ぶってたけど
俺の扱いは、酷いもんだ」





鶴里と縁は、微笑んだ



「鶴ちゃん うちのもう1人のお兄ちゃん
総兄ちゃんは、元気やろか?」


「どうやろ」


鶴里が2人を見る



「そういや、総司の奴
最近、体調良いみたいだな!
この前、夜の巡察で、無理したから
崩すかと思ったけどな」



土方もわかったようだ



「そうだな
1人部屋で、寂しいって
あいつ、うるせぇんだよな」



「うちな、今1人部屋なんよ
あんまり寝れへんくて…
平兄ちゃんは、鶴ちゃんのやし
甘えられへんやろ
総兄ちゃんが恋しいわ」


「千代ちゃんは、ホンマに甘えん坊やね」


「ふふっ そろそろ帰ろか」


「せやね」






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