誠の誓い
伊東が縁の首筋についた

口づけの跡を見る



「怖かったでしょう」


「ちびりそうだった」


「ほほほほほっ はしたないわよ」


「へへっ 皆がいてくれてよかった」


「お兄さんは、どんな人だったの?」



伊東を見て、悲しい表情浮かべ笑った



「優しくて、怒ってるとこ
1度も見たことない
剣術は、へっぽこだったけど
料理は、凄く上手でさ
頭がよくて……お兄ちゃんは……
何でも話してくれる人だった……」


涙を拭い、続ける



「私は、自分の事とか、その日あったこと
上手く言えなくて
お兄ちゃんの事は、何でも知ってると
……思ってたのに」


「誰にでも、表と裏が少なからずあるわ
貴方も、皆に見せない
今の素直な一面があるでしょ
……お兄さんにもあったのよ」


「お兄ちゃんが、私の知ってる
お兄ちゃんじゃなくなるのが怖い」


「真実から目を背けてはダメよ
少しずつ、ゆっくりでいいから
乗り越えていく努力をしなきゃね!
私も皆も、ついているわ!
幸運な事に、貴方は皆に愛されている!」


「ありがとう」


「誰が1番お兄さんに似てる?」


「沖田さん!」


「あら?即答ね?
沖田君と同室に変えましょう!」


「藤堂さん、一生懸命に面倒みてくれた」


「でも、貴方を1人にしちゃ
意味がないわ!また、襲われたら大変!」


「うん…ありがとう」







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