彼氏の好きなヒトになる方法
「えーと、三谷くん?だよね」
振り返ると、やっぱり表情筋がちっとも動いていないような顔したイケメンと目があった。
「俊でいいよ」
「えっ、あ、う……わ、わかった、俊くん」
総動員したはずのコミュ力が、一瞬で無力になった。このような美形のお名前を私のような者が気安くお呼びして良いのでしょうか。
「じゃ、じゃあ、私のことも佳菜でいいよ」
「わかった。佳菜」
ヒャアー。耳が幸せだ。超ドキドキする。
おかしいな、男子に名前呼び捨てにされることなんて日常茶飯事なのに、今すごいときめいてるんだけど。
なんで?イケメンだから?
だとしたら、私の面食いフィルターが乙女としてひどすぎる。
「えーと、とりあえず……どっか歩く?」
駅の外の街の方を指差しながら尋ねてみると、俊くんは無言で頷いた。
うーん、表情が動かないから、いまいち感情が読み取れないな。