本世界
 (空耳じゃなかったのか…。)



 「そうよ。空耳なんかじゃない。失礼しちゃうわ本当。だいたい近くにいた私に気づかないなんて馬鹿ね。」



 (ん?)



 僕は違和感を感じた。



 「あのさ、僕、空耳とか言ってないんだけど。」



 「ああ。私、心読めるから。あ、ナキです。よろしく。」



 「か、界綺です。よろしく…。って、ナキさんて心読めるの!?」



 (心読めるって知ると、変に意識してしまう…。ああああー!何も考えないとか難しい過ぎるだろ!)
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