背伸びして、キス


水着に着替えて上にパーカーを羽織り出ていく。
待ち合わせに指定した場所で一華の出てくるのを待った。



初デートに海。
悪いわけじゃないが。




「お、お待たせしました」




ぼんやりしていると聞こえた声に顔をあげる。
一華は花柄のビキニ姿。

小さい背のわりに意外と凹凸のある身体。
思わず、息をのんだ。





「お前、上はおらないのか?」

「?ちゃんと日焼け止め塗ったんで大丈夫です!」




そういう事じゃないんだが。
そう思いつつ、楽しそうな一華の水を差すのも憚られて大人しくついていく。



「浮輪、持ってきたんです。膨らませるんでちょっと待ってくださいね」

「・・・貸せ。やってやる」



奪うように浮輪をとると空気を入れていく。



< 125 / 351 >

この作品をシェア

pagetop