背伸びして、キス
水着に着替えて上にパーカーを羽織り出ていく。
待ち合わせに指定した場所で一華の出てくるのを待った。
初デートに海。
悪いわけじゃないが。
「お、お待たせしました」
ぼんやりしていると聞こえた声に顔をあげる。
一華は花柄のビキニ姿。
小さい背のわりに意外と凹凸のある身体。
思わず、息をのんだ。
「お前、上はおらないのか?」
「?ちゃんと日焼け止め塗ったんで大丈夫です!」
そういう事じゃないんだが。
そう思いつつ、楽しそうな一華の水を差すのも憚られて大人しくついていく。
「浮輪、持ってきたんです。膨らませるんでちょっと待ってくださいね」
「・・・貸せ。やってやる」
奪うように浮輪をとると空気を入れていく。