背伸びして、キス


昨日は緊張して眠れなかった。
だって、一条さんの職場の人たちに会う。

失敗しないようにしないと。

一条さんに恥をかかせることになったら・・・。



ぞぞぞ。
怖ろしすぎる。


そんなことになってもし一条さんに幻滅されて・・・。



『やっぱり、お前みたいなガキとは無理だ』




なんて言われたら・・・。





ピロン



妄想で絶望に立たされていた時、スマホが鳴る。
一条さんからかな。




『多分、家の近くについた』



迎えに来てくれることになって、家の住所を送ってたんだけど無事に到着したみたい。
慌てて家を出た。


通りの少し先に一条さんの車を発見して急いで駆け寄った。




「お待たせしました!」

「ああ、おはよ」

「おはようございます」



ラフな格好の一条さんは、相変わらずかっこいい。
こんな人が私の恋人、なんて。



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