背伸びして、キス
心が荒みそうだ。
一華にあいてぇな・・・。
スマホを取り出し、電話をかける。
倒れた日から、何度かメールを送ったけど、返事がなかった。
もう夏休みも終わった頃だし、忙しいのかもしれない。
でも、今まで返事が来なかったことなんかなかったんだけどな・・・。
何度目かのコール音でようやくつながった。
――もしもし
「もしもし。一華?元気か?」
――・・・はい
「どうした?なんか、あったか?」
――洋介さんは?・・・元気だった?
電話口の声が、いつになく沈んでいるような気がして。
でも、一華はそれには触れずにそう聞いた。
「俺・・・?ああ・・・元気だよ」
この間倒れた、そのことは言えなかった。
自分の健康管理が甘くて倒れた、なんて恥ずかしすぎて。
一華の前ではかっこいい俺でありたいと思う。