背伸びして、キス
体育祭は盛り上がりを見せる。
赤と白に分かれたそれぞれのチームが先輩後輩の垣根を越え、チーム一丸となって戦いを見せる。
勝敗は、一進一退どちらも引けを取らず、競り合っての抗争となった。
洋介さん、来てるかな・・・。
ソワソワと一般観覧席を探す。
その姿はなかなか見つけられない。
≪障害物競走に参加の人は入場口に集まってください≫
召集のアナウンスが鳴り響いた。
行かなきゃ・・・。
「一華、頑張ってね!」
「う、うん」
涼子ちゃんに励まされて私は召集場所に向かう。
渡された白いハチマキを頭に巻き、よし、と気合を入れた。
出るからには一番!
障害物走は、赤白それぞれ2人ずつ計4人でいっぺんにスタートする。
平均台、網くぐり、飴玉さがし、最後は借りもの競争に変わる。
ものすごく盛り沢山な競技だ。