背伸びして、キス


「今だって、こんな可愛い一華を目の前にして、めちゃくちゃにしたい気持ち、抑えてるんだから」

「えっ、」



妖艶に笑う洋介さんに、顔を染める。
可愛いって、私特別なこと何もしてないのに。



「大事に、したいんだ」

「洋介さん・・・」





洋介さんの想いが嬉しくて。
私は、洋介さんの肩に頭を預けた。

ポンポンと大きな掌で頭を撫でられ、うっとりと瞳を閉じた。




「あまり、遅くなる前に送ってくからな」

「えー、もう少し、洋介さんといたい」

「だめだって、・・・襲われたいの?」

「洋介さんだったら、いいもん」

「・・・お前な」


ごつっと、おでこを弾かれた。
痛みにさすりながら顔をあげると、苦笑する洋介さん。




< 328 / 351 >

この作品をシェア

pagetop