背伸びして、キス


「もうすぐ、夏休みか」

「は、い。でもその前に期末テストがあって」

「あー懐かしい響き。お前、勉強できんの?」

「普通です。あ、赤点はとったことないですよ!」




可もなく不可もなく・・・。
特別できるわけじゃない。

だから、進学も推薦で行けるところを選んだ。




「いいな、学生。まぁ勉強はやりたくねぇけど」

「大人になったら、学生に戻りたいって思いますか?」

「んー、勉強は嫌だけどな。なにも考えずにバカやってたあの時代もなかなか楽しかったなって今思えば考えるな」




一条さんの学生時代・・・。
どんなだったんだろう。
気になるな。

私が絶対に見ることのできない姿。



「だから、今しかできないこと、たくさんしとけよ」

「はい」



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