背伸びして、キス


「工藤さん・・・」

「・・・ぎもじわるい・・・」

「えっ!?」




うぷ、と口を抑えて蹲る工藤さんに慌てて背中をさする。
放っておくこともできずに、俺は一華を追うことはできなかった。


追ったところで、なにをするつもりだったんだろうか。



さっきのは違うんだと、訂正するのか?
そうしたところでなんになる?



これで、あいつが諦めがつくならそれでいいじゃないか。




これで、よかったんじゃないのか。




工藤さんの背中をさすりながら、はっきりとしない自分の心に苛立ちを覚えた。






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