Where it is stuckー滞っている場所ー
プロローグ
カタカタカタカタ・・・



6月20日午後7:00、望月が、パソコンに向かいキーボードを打っている。


外は薄暗く、雨が降っており窓に雨が強く打ち付けている。


「ふか・・く・・・反省して・・・おり・・ます・・」


望月が、自分の打っている文字を読み上げながら打っていると、後ろから、天音が声をかけた。


「望月さん?反省文は・・・はい、まだですね・・・」


天音は、望月の反省文の進み具合をみると、落胆したように自分の席に戻っていった。


天音が帰っていく方向においてある固定電話で、平子が電話をかけているのが望月には見える。


「ごめん・・・」


望月は天音に視線を戻し謝ると、天音は小さくため息をついた。



望月がこうして反省文を書かされるのは、もう16回目だ。



その理由はすべて、、、ナンパだ。



望月によると万屋も兼務しているこの事務所の近くには、美人の女性が多いのだとか



「やっぱ口説いちゃうんだよなあ・・・」



望月は、文字を打ち込む手を休め、伸びをしながら言った。



「にしても、今日は速めに済ませちゃってくださいよ?」



「え?今夜なんかあったっけ?」



天音の焦った言葉に望月が、少しとぼけた言い方をすると、天音は、深くため息をついた。



「今日、月に一度の外食じゃないですか・・・」



「あ!!」



平子探偵事務所は、月に一度、外食に行く、食べに行く店は月によって違うが、捜査員たちにとってのひとつの楽しみなのだ。


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