Where it is stuckー滞っている場所ー
「おはようございます」


伸びをしながら、リビングへと蕨が入ってきた。


返事は返ってこない。


蕨がキッチンに向かうと、そこには、誰かがうずくまっていた。


「だ、大丈夫?」


蕨が声をかけると、そいつは、ゆっくりと振り返った。


蕨も、身構える。


「ヤバい、、、」


「あ、涙!」キッチンでうずくまっていたのは、高崎だった。


「涙、大丈夫か?」


蕨がかけよると、高崎は腹部を押さえていた。


「お腹でも壊したのか?」


「ああ、昨日食べた卵が賞味期限切れてたっぽい」


蕨は首をかしげ言った


「いつ食べたんだ?」


「昨日の夜だよ」


そうか、と蕨が言うと、高崎は腹部を押さえ、低く唸った。


「あ、涙?ちょ、立てる?」


蕨が慌てたようすで言うと高崎、少し間を開けて首を振った。



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