Where it is stuckー滞っている場所ー
「そうか、じゃ」


蕨はそう言うと高崎をお姫様抱っこをし、ソファに運んだ。


いつもであれば、高崎はお姫様抱っこなんてされようものなら、


恥ずかしがって抵抗するのだろうが、


今は腹痛で、それどころではないらしい。


蕨が高崎をソファに寝かせると、高崎は、


「少しは楽になった」


と微笑んだ。そして、決まり悪そうに言う、


「あのさ、昨日は、悪かった。その、機嫌悪かったんだ」


蕨は微笑んだ。


「良いんだ。俺も悪かった」


二人で微笑む。


だんだん、高崎の腹痛も治ってきたようで、


他のみんなが起きてくるころには、もう直っていた。
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