夫の教えるA~Z
「あ…いや別に。ないならそれでいいんだ、うん」
「ふーん、変なアキトさん。
あ、そうそう、それでね……」
トーコはすぐに、今日あったことを嬉しそうに話し出す。
危ない危ない。今日コッソリ姉ちゃんに会って、バイトを止めさせようとしてたなんてトーコに知れたら…
トーコ特製、“摘みたてシソの葉入りチーズササミカツ”を頬張りながら俺は、昼間見た夏子姉ちゃんの顔を思い出していた。
あのとき、垣間見たあの表情は、一体何だったのか。
過去を遡ってみても、あの狂暴かつ最強の姉のあんなに切ない顔、一度も見たことがない。
俺が誤ってあいつのお気に入りのティーカップを割ってしまった時だって、あいつが俺を半殺しにして終わりだったのに…
そういえば、クリスマスの事件の時も、姉ちゃんはちょっと変だった。
確かにあの時は俺が悪かったんだが、トーコに肩入れするにしても、ちょっとやりすぎな気がした。
もしかして夏子《あいつ》、悪い男にでも引っ掛かったんじゃないだろうな?
「ふーん、変なアキトさん。
あ、そうそう、それでね……」
トーコはすぐに、今日あったことを嬉しそうに話し出す。
危ない危ない。今日コッソリ姉ちゃんに会って、バイトを止めさせようとしてたなんてトーコに知れたら…
トーコ特製、“摘みたてシソの葉入りチーズササミカツ”を頬張りながら俺は、昼間見た夏子姉ちゃんの顔を思い出していた。
あのとき、垣間見たあの表情は、一体何だったのか。
過去を遡ってみても、あの狂暴かつ最強の姉のあんなに切ない顔、一度も見たことがない。
俺が誤ってあいつのお気に入りのティーカップを割ってしまった時だって、あいつが俺を半殺しにして終わりだったのに…
そういえば、クリスマスの事件の時も、姉ちゃんはちょっと変だった。
確かにあの時は俺が悪かったんだが、トーコに肩入れするにしても、ちょっとやりすぎな気がした。
もしかして夏子《あいつ》、悪い男にでも引っ掛かったんじゃないだろうな?