夫の教えるA~Z
「いやー、会員(お客さん)として利用してた時とはまた違いますけどね?
でも皆、夏子お姉さんのつてで、ってことで、すごく親切にしてくださって。やっぱり、お姉さんの人徳ですかね~」

後日。

面接を受け、そのまま初仕事に出たというトーコは、いたくご機嫌だった。

「そ、そうか。それは良かったな~(夏子が怖いからだろ、単に)」
笑った顔を作りながらも、口の端はヒクヒク引き吊ってしまう。

「…ところでさ、トーコ。
夏子姉ちゃん、最近なんか変わったことない?」

「え?夏子姉さん?」
キョトンと不思議そうな顔をしたトーコ。

「あ、いや。お前結構姉ちゃんに会うだろ?例えば何か相談受けたりとか。会員さんとかから、何か変な噂とか聞いたり」

「う…ん。特にないなあ…
夏子姉さんは、いっつも元気で優しいですよ?人気のインストラクターで、いつも予約がいっぱいなのに、私にも声かけてくれて。
何かあったんですか?」
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