毛布症候群
両親はいないらしく、広いリビングにぽつんと残された。マオがキッチンから紅茶を持ってきてくれる。
「スーパーに売ってる紙パックのだから」
「本当だ、お馴染みの味」
「硝子が休みに会おうっていうの珍しいね」
珍しいというか初めてだ。学校で話しても良いけれど、あたしがそこまで待てなかった。
「マオが、あたしよりひとつ年上っていうのは」
「おお、直球」
「あたしがみた、マオの夢と関係があるの?」
マグカップを持ちながら尋ねる。マオはちょっとだけ窓の外を見て、小鳥の囀りを聞いて、口を開く。
「フィナンシェ食べる?」
「食べたい」
「プレーンとチョコと何があったっけな」
立ち上がって、キッチンの方へ歩いて行く。