無糖バニラ
「翼くーん?このはのママだけど。具合どう?」


ママ、人の家で、年頃の男子の部屋なんだから、ノックはした方がいいと思う。

あたしは暗くて狭い場所で、心の中で抗議した。


「すいません、ありがとうございます……」


控えめにお礼を言う翼の声が、すごく近い。


現在地、ベッドの上。

頭まですっぽり布団を被って、翼の隣。


翼があたしを隠した場所は、よりによってここだった。

これ、バレないのかな……。

翼の背中にぴったりとくっ付いて、息をひそめる。
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