無糖バニラ
 



「な、なにそれ……」


話を聞いていた仁奈は、青い顔で口元を引きつらせた。


「ごめんね、重い話しちゃって」

「いや、明るく言うな!」


あたしにツッコミを入れたあと、仁奈は恐る恐る傷跡に触れて、


「も、もう痛くないの?」

「うん、平気。大丈夫」

「このはとは中学違うけどさ、そんな事件あったならうちの中学でも噂聞こえてきそうなのに……。全然知らなかったよ」

「あー……、おっきくしたくなかったから、地面に落ちてたカッターに自分から刺さったことにしたんだよね」

「そんな嘘くさいの、誰も信じないでしょ」

「んー、ビミョーかな。生徒で見てる人はいなかったからバレなかったし、先生も問題にしたくなかったっぽくて、結構簡単に済んだよ。ほら、受験生だったし。色々」

「もう、このはぁ……」


仁奈が、泣きそうな顔であたしを見る。
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