無糖バニラ
あたしは、ぐっと言葉を詰まらせた。

確かに、小嶋くんの言う通り。

翼とは、幼なじみなだけで人に責められるけど、小嶋くんと付き合ってると言っただけで反応が180°変わった。


「……」


黙り込んでしまったあたしを、


「あー……、ごめん。こういう格好悪いこと言いたいんじゃなくてさ」

「?」


小嶋くんが自分の頭をガシガシ掻き回して、顔をしかめた。

そして、まっすぐな視線を向けて、


「フリでいいんだ。俺と付き合ってくれないかな?」


真っ赤な顔で、もう一度告白をくれた。
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