無糖バニラ


夜、お風呂に入った後に、あたしは窓を開けてボーッとしていた。

真っ暗。

少し視線を上に向けてみれば、綺麗な星空。

今日、雲少なかったもんな……。


目の前には、お隣の家。翼の部屋。

カーテンが閉まっていて、中の様子は分からない。


「つばさ……」


ぼそっと名前を呟いてみる。


「翼、具合どう?」


返事が来ないことを分かっていながら、窓を見つめ続ける。
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