無糖バニラ
「おかえりなさい……」


目を見ずに、翼に声をかける。


「ああ」


予想通りの素っ気ない返事の後は、ふたりで黙り込んでしまった。


「はー、翼も来たし、休憩終わり。ママは戻るねぇ~」


翼ママが首をポキポキと鳴らしながら、再び扉の向こうに消えていった。


ふたりきりになってしまった。


「……」

「……」


静かな店内で、無言なあたしたち。

気まずいのに、お客様が来てほしいような来てほしくないような。
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