プリズム!
「…力…。久し振り、だね…」

夏樹は驚いた表情のまま立ち尽くしている力に、少しだけ表情を和らげて声を掛けた。

「お前…。何でこんな所にいるんだ?それに、一人?」

ゆっくりと近付いて来ながら周囲を見回している。

「今通ってる学校の友達と来たんだ。今は…ちょっと別行動してるんだけど…さ」

「そ…そうか…」

力は、どこか戸惑っているようだった。


それは、当然のことかも知れない。

あの『事件』の後、自分は力に会わないまま冬樹から夏樹へと戻り、この学校を去ってしまったのだから。



彼、神岡力(かみおか ちから)とは、雅耶や長瀬と同様に『冬樹』当時同じクラスだった。

力は夏休みが明けてからこの学校に転入して来たので、クラスメイトとして関わった日数は短かったのだが、実はもっと昔からの知り合いである。

力と夏樹の父親達が古くからの友人同士で、小さな頃から時々父に連れられて出掛けた先で会い、一緒に遊んだりしていたのだ。
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