プリズム!
両親達の事故後、力とは八年以上会っていなかったのだが、思わぬ所で再会を果たすと、力は敢えて『冬樹』のいるこの成蘭高校へ転入して来た。

その背景には力の父の存在があり、実は、そこには様々な因縁(いんねん)が渦を巻いていて、それが例の『冬樹』が夏樹へ戻ることが出来た『事件』へと繋がっていくのだが…。


事件が解決したことで、両親の事故原因や散々『冬樹』が狙われ危険な目に遭っていたのが、実は全て力の父親が仕組んでいたことだということが分かった。

仲の良かった父達が、下らない私利私欲の為に道を(たが)え、一方が死にまで追いやられてしまったという真実は、ただただショックであり、到底許せることではないと思う。

だが、その事件をきっかけに、ずっと行方不明だった兄の冬樹と再会を果たせたことで、その力の父に対しての憎しみなどは、夏樹の中で何処か心の奥底に仕舞い込まれ、鍵が掛けられてしまったかのように今は身を潜めてしまっていた。

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