プリズム!
よく通る(りん)とした声だった。

途端、今まで騒いでいた集団がピタリ…と静かになる。

そして、皆がその声のした方向を振り返っているので、夏樹も自然とそちらへ視線を向けた。


そこには一人の女生徒が腕を組んで立っていた。

背が高く、手足の長いスラッとした、まるでモデルのような美人で、黒く長いストレートの髪が印象的だった。

制服が似合わない程ではないが、大人っぽい雰囲気を(かも)し出していて、沢山の女生徒達がいる中で特別目を引く存在感を放っている。

「あなた達、周囲をよく見て御覧なさい。食堂でこんなに大騒ぎして、皆に迷惑を掛けているのが解らないの?」

「す…すみませんっ」

ついさっきまで、すごい勢いで言い争っていた先輩達が素直に小さくなっている。

「優秀な部員を確保することも大切だし、つい熱くなってしまうのも解らなくはないけれど、こんなに大勢で突然押し掛けたら、彼女だって引いちゃうわよ?彼女、困ってるじゃない」

その言葉に、先輩達の視線が一斉に夏樹へと向けられる。

そして、途端に申し訳なさそうに頭を下げると、

「ごめんね、野崎さん。部活のことは、考えておいてね」

「食事の邪魔、しちゃってごめんなさいね」

皆口々に謝罪の言葉を口にした後、あっという間にその場を去って行った。
< 28 / 246 >

この作品をシェア

pagetop