愛言葉ー溺愛ー


奥のドアから眉を八の字にして申し訳なさそうに入ってきた黒髪のスーツ姿の男性。まさに天城家兄妹の父親だ。


「お父様っ!お父様⋯っ!」


「祭莉⋯っ!元気にしていたかい?寂しい思いをさせてごめんな?」


辻李の元へ走って、抱きつく。懐かしい大好きな香りと柔らかな声。落ち着くところ。


「父上っ!?ドイツへ行かれたのではっ!?」


いつもの如く、ラファリエートの冗談だと思っていた遊鳥と神楽も思わぬ人に立ち上がる。


「ドイツにはちゃんと行ったんだけどね。そこでラファに偶然会ったんだ。」


抱きついている祭莉の頭を撫でながら微笑む辻李。
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