ラ・ヴィ・アン・ローズ



「そろそろ部屋に戻るか」

「そうですね」

時計は10時をとっくに回っている。

部屋に戻り、バスタブにお湯を溜めて

「お風呂入れますよ」

「ん」

上着、Yシャツを脱いで渡し

「一緒に入るか?」

「入りませんよ。1人でどうぞ」

「はいはい。奥様にフラれた可哀想な旦那は1人寂しく風呂に入りましたとさ」

「……」

誰が可哀想な旦那様なのかしら。

「ハハハ…」

笑い声を残してバスルームに消えて行く。

上着とYシャツを片付けて私もイヤリングとネックレスを外し寝室から出ると

「もう上がったんですか」

「あぁ」

相変わらず烏の行水なんだから。

「お前も入って来い」

「はい」

う~ん、このお風呂は広くゆったりしているので気持ちいい。

それに何たってバスタブが洋画に出てくる猫脚のあれなのよ。

女の子の憧れよね。

お姫様にでもなった気分。

バスタブで手足を伸ばして…

あ~気持ちいい。

温かいお湯に入ってると眠くなる。

それにあまりゆったりしてるとまた『遅い、寝てるか溺れてるかと思って助けに行かないとと思ってた』なんて言われちゃうし。

名残惜しいけどそろそろ上がりましょ。




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