ラ・ヴィ・アン・ローズ
「ん?どうした」
恭介さんの息が首筋を擽る。
「お月様が綺麗だなって」
「満月だからな」
この一言だけ。
相変わらずなんだから。
「月もいいが、こっちもいいぞ」
「えっ?」
促され振り返ると
「シャンパン!それに」
苺がテーブルに。
さっきのチャイムはこれを持ってきたお知らせだったのね。
「座って」
ソファーに座り、恭介さんがアイスペールからシャンパンを取り上げ栓を抜く。
「ん」
そしてグラスに苺を入れてシャンパンを注ぐ。
「恭介さん」
「もういいな」
えっ?
何の話し?
恭介さんが時計を確認して
「今日はもう5月22日だ」
「……」
もう午前0時を数分過ぎている。
恭介さん、もしかして…
「乾杯しよう」
「恭介さん、覚えてくれてたんですか?」
「あぁ」
恭介さん…
「って言いたいとこなんだけど」
「えっ?」
どう言うこと?