ラ・ヴィ・アン・ローズ
「誠から聞いた」
「誠さん?」
誠さんが何で知ってるの?
「お前、瑞穂と話してただろ」
瑞穂さんと…
あ、そうだ。
ゴールデンウィークに瑞穂さんとランチした時にそんな話しをしていた。
その話しを瑞穂さんが誠さんにして、そして恭介さんの耳に入ったのか。
「5月の後半だったのは分かっているが日にちまでは覚えてなかった」
「……」
恭介さんならそうでしょう。
いや、普通男性はそんなこと覚えてないかも。
「だからこのホテルを取った」
「恭介さん、あ、ありがとう。本当にありがとうございます」
嬉しすぎて涙が出てきたよ。
「またお前は。相変わらず泣き虫なんだから」
「いいんです。嬉し涙はいくら流しても」
「はいはい。じゃあ好きなだけ泣いていいからその前に乾杯しませんか?」
「は、はい」
シャンパングラスを取り上げ
「乾杯!」
今日何度目の乾杯かしら。
でもこの乾杯が一番嬉しい。
シャンパンを飲み苺を食べる。
「美味いか?」
「はい、とっても美味しい」
シャンパンのキリッとした酸味ある甘さと苺の甘酸っぱさ、それに恭介さんの優しい思いが絶妙なハーモニーを醸し出していて格別な味。