ラ・ヴィ・アン・ローズ



電車に乗り恭介さんと待ち合わせのホテルへ。

此所は私達が初めて来たホテル。

そして結婚式の夜に泊まったホテル。

そしてそして恭介さんのお誕生日に私からのプレゼントとして泊まったホテル。

私達にとっては思い出のホテルよね。

4ヶ月ぶりだけど遥か昔のような気がする。

本当に怒涛のような 1年だったわね。

なんて思い出に耽っていると

「何をボケッと突っ立てんだ」

「わ、わぁ~」

び、吃驚した。

いきなり目の前に恭介さんがニュッと現れるんだもの。

「どっから声を出してる?ほら、行くぞ」

私の手から鞄を奪い腕を掴んでエレベーターへ。

何かお巡りさんに連行されるみたいじゃない。

「ん、何を膨れてる?」

「膨れてません」

「河豚になってるし」

また河豚って言われたよ。

「それ以上膨れんな。破裂するぞ」

「き、恭介さん!私は河豚じゃありませんし破裂もしません」

「はいはい。ククク…」

笑ってるよ。

もう本当に失礼なんだから。


< 3 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop