もしも君を愛すなら……。
彩先生に託した、一枚の手紙。


涙を拭いながら、時間を掛けて書いた、慧君への手紙。


それを、渡すようにお願いしたのだ。


「本当に良いの? 遠距離だからって、一年くらいなんてこと……」


「いいんです。そんなことに、彼を縛りたくないから……。それに、成功する保証なんて、何処にもないんですから……」


そう言って、私は彩先生に手紙を押し付けた。
< 112 / 127 >

この作品をシェア

pagetop