シンデレラは恋に臆病
「玲司さん、ありがとうございます」

椅子に座り玲司さんにお礼を言うと、彼は苦虫を噛み潰したような顔をした。

「別にお前のためにした訳じゃない」

「そうですね。でも、嬉しいです。玲司さんの大事なものを奪うのは気が引けますが」

「気が引けるなら返せよ」

俺の目を見て玲司さんがフッと微笑する。

「今日、真優には内緒にしてますが、この後俺の実家に連れていくつもりです」

「……真優のこと、本気なんだな」

「ええ。玲司さんには感謝してます。今まで真優に悪い虫がつかないようにしてくれたんですから」

「それもお前のためじゃない」

ムスッとした顔で玲司さんが言う。
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