シンデレラは恋に臆病
だが、想定外のことはあった。

真優にとっては俺が初めての男だった。

朝になったらちゃんと話をしようと思ったのに、次の朝目覚めると、彼女の姿はなかった。

代わりにベッドにあのピアスが片方落ちていて……。

一人で目覚める朝がこんなにも空しいと感じたのは始めてだった。

真優が忘れたピアスを手に取り、じっと眺める。

「何故……俺を起こさず帰った?」

俺の問いに答えるものなどいない。

真優が勝手に帰ったのが凄く引っかかる。

直ぐに本人に聞きたいところだが、俺は真優の携帯の番号も知らない。

「詰めが甘かったな」

ハハッと嘲るように笑うと、乱れた前髪をかき上げてバスルームに向かい熱いシャワーを浴びる。
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