シンデレラは恋に臆病
すぐに会社に行って真優を捕まえたいところだが、今日は朝イチで客先に行かなければならない。

会社に出れるのは午後だ。

「……この時間がもどかしいな」

午前中は客先で打合せを済ませると、俺のスマホが鳴った。

電話に出ると、かけてきたのは真優の派遣元の営業で、彼女がうちとの契約を更新しないと伝えてきた。

嫌な予感はしたんだ。

真優は俺から離れるつもりでいる。

だが、……どうして俺から逃げようとする?

昨日の真優はどこか悲しげな顔をしていた。

いや……昨日だけじゃない。たまに切ない表情をするようになって……。

考えてみたら、彼女に『好きです』って言われたのに……俺は自分の思いを彼女に伝えてなかった。
< 66 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop