シンデレラは恋に臆病
「おやすみ。明日の朝は勝手に逃げないでよ」

茶化すように言って真優にゆっくり口づけると、俺は彼女の身体を愛おしげに抱き締めた。

「おやすみなさい」

俺の腕の中で真優がそう言うと、何とも言えない幸福感に包まれた。

今日は真優を失うんじゃないかと冷や冷やしたのにな。

失わなくて良かった。

惚れた女は何としてでも手に入れないと。

「やっぱり家訓って大事だな」

しみじみそう呟くと、真優は俺の声に反応して目を開けた。

「ん?家訓?」

「何でもないよ。幸せだなって思ったんだ」

「……私もです」
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